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令嬢は元暗殺者に恋をする
第49章 篠つく雨の……※
 ちゅぷん、と音をたてて熱杭を引き抜いたそばから、たらたらと切ない涙をこぼすように愛液が落ちる。
 ハルはそれをそっと指で拭い舐める。

 甘い媚薬に、己自身のものがびくんと脈打つが、サラが本当の意味での絶頂を知ったのなら、今はもう満足だ。
 それに、半ば意識のないサラを、これ以上どうこうするつもりはない。
 かえって、サラの身体に負担をかけてしまう。

 汗でひたいにはりつくサラの髪を優しく指ですき、頬に口づけをする。
 サラがぴくりと身体を動かし、薄く目を開けた。

「最後は少し無理をさせてしまったかもしれないね」

 サラはううん、と首を振る。

「少し眠ってていいよ」

「ハル……」

 その目はまだどこか虚ろで夢の中をさまよっているようにも見えた。

「ん?」

 ハル好き……。
 好き。
 大好き。

 愛してる──。

 ただひたすらその言葉をサラは繰り返した。
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