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令嬢は元暗殺者に恋をする
第66章 報復 -7-
サラとの結婚を果たした後、密かに彼女に飲ませて物言わぬ人形に仕立て上げ、最後に殺すためとこの男が企んでいた毒を、ファルク自身の口許に持っていく。
「貴様がこれを飲め。そして、貴様自身がその人形とやらになればいい」
「ばかな、何をする! まさか本気で……うそだろう?」
ファルクはやめて、と小刻みに首を振る。
「解毒剤は持っていないのか?」
途端、ファルクのこめかみのあたりがぴくりと震えた。
案の定、その様子からして解毒剤は持っていないということ。それもそうであろう。
サラを殺すつもりでいたのなら、そんなものは最初から必要ない。
そして、よもや、己自身がその毒を飲まされる羽目になろうとは想像もしていなかったのだから。
「おまえ、正気か!」
あり得ない、そんなことをするなど信じられないと、ファルクは懸命に身をよじる。
けれど、肩にかけられたハルの足によって身動きを封じられ、どんなにもがいても逃れることはかなわない。
「くそっ!」
と、汚い言葉を吐き捨て、ファルクは咄嗟にハルの足を退けようと、右手でその足首をむずりと力強くつかむ。が、ファルクの口から上がったのは悲鳴。
指を折られていたことをすっかりと忘れていたようだ。
「貴様がこれを飲め。そして、貴様自身がその人形とやらになればいい」
「ばかな、何をする! まさか本気で……うそだろう?」
ファルクはやめて、と小刻みに首を振る。
「解毒剤は持っていないのか?」
途端、ファルクのこめかみのあたりがぴくりと震えた。
案の定、その様子からして解毒剤は持っていないということ。それもそうであろう。
サラを殺すつもりでいたのなら、そんなものは最初から必要ない。
そして、よもや、己自身がその毒を飲まされる羽目になろうとは想像もしていなかったのだから。
「おまえ、正気か!」
あり得ない、そんなことをするなど信じられないと、ファルクは懸命に身をよじる。
けれど、肩にかけられたハルの足によって身動きを封じられ、どんなにもがいても逃れることはかなわない。
「くそっ!」
と、汚い言葉を吐き捨て、ファルクは咄嗟にハルの足を退けようと、右手でその足首をむずりと力強くつかむ。が、ファルクの口から上がったのは悲鳴。
指を折られていたことをすっかりと忘れていたようだ。

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