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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第11章 不安な心

「今日は、サラとゆっくり歩きたくて、車置いてきたよ。」

「いつもアズ、車で来てくれるからね。たまには、こうして歩くの楽しいよー。」


アズの家がある街は、私の家からも、職場からも遠い場所。

私が結婚している事を知る人はいない。

私とアズの関係を知る人もいない。

明るい空の下、人目を気にする事なく、堂々と手を繋いで歩く事も出来る。

普通の恋人達がする当たり前の事が出来ない私達。

だから、今日こうしてアズとそれが出来るのが嬉しい。

海沿いを歩いていると、潮の香りが風に乗って運ばれてくる。


「海の近くって、やっぱりいいねっ。潮の香りがするっ。」

「今日は天気もいいしな。海の公園でも行く?」

「うんうん!行く!」


海の公園は私が昔、子どもの頃に、家族で潮干狩りをした場所。


アズの家は、そこからは少し先だけど、私は完全にこの辺りで幼少時代を過ごしたから、すごく懐かしい。
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