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わけありっ、SS集!
第5章 痴女お姉さんと僕

 女磨きのために男を殺しちゃうなんて、なんて恐ろしい世界。
 だけど言われてみれば、あのお姉さんは自分の声やおっぱいの大きさにずいぶん悩んでたみたいだった。
 僕はとっても可愛いと思う。もう少し大きくなってから出会っていたら、確実に誘惑されていたかもしれないくらいロリ声は可愛かったのに、雪女の世界じゃあんまり美女じゃないのかもしれない。

「もし、今度お姉さんに会ったら……」
「またおまえは山に入る気か?」
「ち、違うけどっ、もしどっかで偶然、本当に偶然お姉さんを見かけたら……」

 僕は窓の外に目を向けた。そこには、見慣れた銀色が広がっている。お姉さんの美しい髪と同じ色だ。

「ちゃんと、お姉さんは可愛いって伝えるんだ。声も可愛いくて、おっぱいも可愛い。僕はそのままのお姉さんが好きだよって」

 おばあちゃんは腹を抱えて大笑いした。

「初恋は雪女か。これは将来女好きになるのう」

 そういう言い伝えもあるらしい。雪女が初恋だと、女好きに育つとか。ホラ話が好きなおばあちゃんの言うことは、どこまで信用していいかわからないけど。
 所々、作り話っぽいよね。
 そう言って、僕も笑った。



おわり。
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