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明治鬼恋慕
第11章 夜叉



──スチャ...



「な‥‥!? いったい‥‥ッッ」


「ハァ……ハァ……、…っ」


「そんな筈はない! お前は致死量をはるかに越える量を飲みほした! なのに」


「……っ…うっるせぇ黙れ!」


「‥‥!!」



焔来は刀を鞘からぬき、その刃を又左衛門の喉に突き付けていた。

後ろに転げ尻餅をついた又左衛門が、目を丸くして信じられないとばかりに叫んだが…

目覚めた焔来の剣幕に圧倒されて、口をぽっかりと開けたまま言葉を失う。


“ 何故だ…!? どういうことだ…!? ”


刀を突き付けられぴくりとも動けない。

又左衛門には状況がのみ込めなかった。

目の前の焔来は呼吸こそ荒く、多少のふらつきこそあれど、しっかりと意識を取り戻しているのだ。

狂骸湯を飲んだ鬼で──こんな話は聞いたことがない。


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