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明治鬼恋慕
第13章 迎撃

馬にまたがる憲兵たちは二人の所まで追い付いていた。

近付きすぎぬように距離を保って、街道から様子を見ている。



そこに、リュウが躍り出た。



雪景色に溶け込む白い着物──

腹部を自らの血で赤く染め

腰帯に刀の一本だけをさげた彼は、銃を構える憲兵たちを、顎を引いて睨み据える。


「観念したか」


憲兵のひとりが口を開いた。


「大人しく出てきた所を見るに降参か? だが無念であるな」

「……」

「我々の任務は鬼の生け捕りではない。鬼の首を持ち帰ることだ! く…はは」


そして銃を構え直した。

笑いながら狙いをリュウにさだめ、引き金に指をかける。


「せめて楽に死ねるよう、心臓を狙ってやる」

「それは……ありがたくて涙がでるよ」




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