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明治鬼恋慕
第14章 決別




──…




それから、焔来は目を覚ます。



「……リュウ?」



扉の隙間から漏れる光は、朝の訪れを焔来に知らせる。

パチパチと火鉢の炭が弾けるだけの静寂で、うっすらと映りこんだ視界の中にリュウの姿はなかった。


「リュウ? おい……どこだよ」


身体を起こし、布団として掛けていた夜着を横にやる。

むしろの上に寝ていたのはやはり焔来だけで、隣にいたはずのリュウがいない。


用でも足しにいったのだろうか。

…それとも、何か食料の調達に?


「……っ」


可能性なんて山ほど浮かぶが

今の焔来は妙に胸がざわついた。


何故だろう。それは──入り口の戸棚に立て掛けてあったリュウの刀も、一緒に無くなっていたからかもしれない。


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