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明治鬼恋慕
第15章 理由

作ったばかりの四つの死体が転がる場所に、五月蝿いそいつを投げ捨てる。

すると憲兵はますます五月蝿くなって、醜い声で喚き散らしてきた。


醜い──汚い。

でも、そいつの顔は滑稽にも思えた。


「群れるのが好きなんでしょう?…なら早く、仲間の後を追ってあげなよ」


僕は銃口を向け、引き金に指をかける。


「迫害される恐怖も知らない……呑気な君たちだけどさ。死ぬ寸前だけはいつも必死だよね」


この瞬間だけは人間に価値を見い出だせる気がする。

自分の中に沸く少しの歓喜を味わった後、僕は引き金を引いて憲兵の頭を吹き飛ばした。




──…殺すなぁ! リュウ!!




それとほぼ同時

焔来の声が僕の名を呼んだ。

僕は憲兵の死を見届けてから、ゆっくりと顔を上げた。


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