この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
明治鬼恋慕
第17章 冬風

軒の下にまで出された棚の上には、赤や黒塗りの笄( コウガイ )、簪、櫛( クシ )。鮮やかな元結や、化粧に使う紅や白粉。丈長という紙の類いも置いてある。

女物だけとは限らず、男用の紙入れや煙草入れも売っていた。

基本的に装飾品から日用品まで幅広く扱う小間物屋は、ちょっとした掘り出し物を見付けられる楽しい場所だ。


「これとかどうだい? 安くするよ」


店主が勧めてきたのは小さな箱に収まった紅である。

買うことはできないが、豆腐の鍋を持ったまま彼女は店主の掌を覗いた。

いい色だ。

村の川沿いに咲いていたアザミの花を思い出す。


「旦那さまごめんなさい。とても綺麗だけれど今日は買えないわ」

「そりゃ残念だなぁ。ここんとこどうも、客足が悪くてね」

「寒くなってきたからかしら」


気の良さそうな店主が背を丸めて商品を棚に戻す。


/329ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ