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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第13章 地下アイドルの秘密 編 1-1
私達メンバーも大げさに驚き、キャーと声をあげて照れて見せる。
私もそうだけど、メンバーは抱っこよりもハグハグの方が楽でいい、と思っている。
軽く抱きしめられてもただそれだけの事。お姫様抱っこされて生のパンティを見られ続けるよりはましだった。
涼奈も両手で口を押えて驚いた表情をしているけど、内心は良かった、と思っているに違いなかった。

ハグハグを選んだ勇者さんは抱きしめる気満々で涼奈に近づき、あっという間に両手を肩や腰に回して抱き寄せる。涼奈も相手の身体に手を回すけど、それ以上に強く抱き寄せられて上半身も下半身もピッタリとくっついてしまう。
お尻を後ろに逃がそうとしても、勇者さんは腰を前にクイックイッと動かしている。
私達は照れている振りで更に声をあげる。
客席からブーイングが一斉に起こる。
「涼奈ちゃん逃げて!」
「もう離せよ!」

心瑠!早く撮ってよ!、流石に涼奈の目がそう訴えている。
「えっと、えっと・・・はい!撮れました!」
ようやく撮影が終わってハグから解放された涼奈は、頬を染めて興奮した表情で立ち尽くしている。それに比べて、涼奈の身体をしっかりと抱きしめた勇者さんはブーイングの中、客席に向かって手を振りながら降りていく。
ある意味、本当に勇者だ、と私は思った。

「は~い、スペシャル特典いかがでしたか!今日ライブ後に購入してくださった方達は、次回のライブでこの特典が付きますから、ぜひ来てくださいね!」
「宜しくお願いします!」
胸チラを見られているのを十分に感じながら、メンバー全員で頭を下げる。
続けて握手会を兼ねた、お見送りをする。
差し出された手を両手で握ってお辞儀をして、ここでもまた胸チラのサービス。
汗をかいている谷間を5人分、目の前で見られてみんな満足そうにして会場を出ていく。

最後の1人が出て行った後、私たちは全員その場にヘナヘナと座り込んでしまった。
想像以上に疲れている。全てを笑顔でこなすことの大変さを今更ながら思い知った。
もっともっと練習しないと、そんな気持ちが最初に湧いたけど、メンバーの顔は晴れ晴れとしていた。
全員気持ちは同じだったと思う。
歌って踊って、ライブは楽しい!これがもっと大きな会場で出来たなら・・・
その為には何だってやる!少しぐらいHな衣装だってかまわない。
最初にメンバー全員で誓った事を私は思い出していた。
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