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聖杏学園シリーズ ー囚われの少女達ー
第16章 ストーカー(僕の彼女)編 1-1
ウィンクもサービスしてあげれば、2人はエヘヘ、とデレデレ顔でオー
ダーを入れてくれる。ついでにドリンクとデザートも追加させてから、
私は厨房へ向かった。
樹里ちゃんが先にお食事の準備をしていた。お店ではリンちゃんと呼ん
でいる。
「リンちゃんの御主人様って・・・ちょっと怖くない?」
隣で卵を割りながら小声で話す。フロアでチラッと見た感じでは、筋肉
モリモリのマッチョマンで肌が日焼けして真っ黒だった。
「うん、見た目はそうなんだけど。でも、話すと恥ずかしがり屋なの」
「え、そうは見えないね」
意外だった。見かけで判断しちゃいけないな、と思う。悩み事があると
、リンちゃんに相談をするためにお店にくるらしい。今日も相談された
から励ましてあげたの、と優しく微笑んでリンちゃんが言った。
「ねえ、今度泊りに行っていい?テストは終わったんでしょ?」
前々から何度もお願いされていたことだった。ゲームをしたり添い寝を
したり、1日部屋で私と遊びたいらしい。実家暮らしなのでのんびりで
きないから、を強調していた。私もそろそろ断り辛くなってきていたの
で、今回はOKしてしまう。ただ、添い寝がちょっと怖い気もするけど、
でも楽しみだ。やった!と喜んだリンちゃんは足取りも軽く、御主人様
へお食事を運んでいく。

私も2人分のお食事を用意して運んで行った。一見するとチャラい遊び
人風の御主人様が2人の間に座って欲しいと言ってくる。
「かぐやちゃんが隣に来てくれないと寂しいんだよ~」と甘えた声を出
す。私は内心呆れながらも笑顔で言った。「御主人様は甘えんぼさんで
すね。失礼します」
テーブルと遊び人風の御主人様の間を爪先立ってゆっくり進んだ。御主
人様の膝にぶつからない様に、そのことに気を取られていた私は、うっ
かり御主人様にお尻を向けたまま進んでしまった。途中でフッとスカー
トの後ろが違和感を感じた。更衣室で樹里ちゃんにスカートを捲られた
時と同じ感覚だった。
うそ!スカートを捲られてる?・・・
慌てて手でスカートを押さえたかったけれど、我慢してさりげなく振り
返る。スカートは捲られてはいなかった。でも、2人の表情は今まで見
たことがない程いやらしかった。鼻の下も見苦しい程伸びている。しか
も、明らかに私の視線を避けていた。
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