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第16章 ストーカー（僕の彼女）編　１－１

「瑠奈ちゃん、顔色悪いよ？横になる？」
「ううん、大丈夫。平気・・・」
少し無理して笑顔を作って答えた。
「それならいいけど・・・あの・・・瑠奈ちゃんは何もされてないん
だよね？」
遠慮がちな言い方でも、樹里ちゃんの言葉はチクッと胸に刺さった。
どうしよう・・・ちゃんと話して相談した方がいいかな・・・
色々な疑問と心配が次から次へと湧いてくる。
警察の人がお店に来たら私にも事情を聞いてくるのかな・・・
未成年なのにやっちゃいけないこと、してないかな・・・
服の上からでも胸を触られ、スカートが捲られた下半身をお店の中
で撮影されてしまったこと。そして、それをネタに呼び出されてい
たことも・・・
もし行っていたら、私も眠らされていたかもしれない・・・

「あのね、樹里ちゃん・・・」
口を開いた私を見て、彼女が息をのんだのが分かった。
「・・・瑠奈ちゃん変な事されたの？まさかNEWSの・・・」
「ううん、それは違うよ。そんなことまではされてないけど・・・」
慌てて彼女が思っていたことは否定したけれど、相変わらず大きな
瞳で私を見ている。
「けど、って・・・何かされたの？」
「うん・・・実はね・・・」
同伴の後、お店の中であったこと、そして更に心配していることも全
部話した。樹里ちゃんの表情がどんどん曇っていく。
「それじゃ、もし来週あの２人に会っていたら、瑠奈ちゃん眠らされ
た後に変な事されたかもしれないんだよね！」
「・・・うん」
「うん、じゃないでしょ！！」
「えっ・・・」
いきなりの剣幕で樹里ちゃんが大きな声を出した。初めて見る彼女の
怒った顔。本気なのはすぐに分かった。
「瑠奈！あなたね、無邪気な少女っぽさが残ってるのは、ある意味魅
力的だけど、自分の容姿はしっかり自覚してる？男の人達が瑠奈のこ
とをどんな目で見ているか、考えたことある？」
「・・・」
樹里ちゃん本気で怒ってる・・・
「あったとしても、多分瑠奈が思っている以上にいやらしいこと考え
て見てるんだって、分からないの？
あんなことする２人が、何もしないで動画を削除して瑠奈を帰してく
れると思ってたの？そんなことある訳ないじゃない！」