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第8章 シナジー効果

『欲しい…？』


悠介の声に虚ろな眼を向け見上げる蘭。


選ぶことに慣れていない蘭は答えようがなく、委ねてるのというようにただ見つめ返す視線で悠介に任せた。


取り出した黒い布。


悠介は優しくそれを巻きつけ、蘭に静かに目隠しをした。


そうして、蘭をそっと起こし、倒れないよう支えてやりながらテーブルのところまで歩かせた。


『横になりなさい。』


蘭は抗うことなく従った。


ゆっくりと躯を横たえるのに手を貸してやり、はしたなく床に転がる蘭の頭を悠介は優しく撫でてやった。