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タワーマンションの恋人
第8章 * ハルキ






彼が部屋を出て行く時間。



靴を履いた彼が優しく笑って手を差し出した。

「華ちゃん、おいで?」

行為が終わると、彼はわたしをまた“華ちゃん”と呼んだ。

熱を持った声で呼び捨てで呼ばれるのも好きだけど、この優しい笑顔のハルキからは、ちゃん付けで呼ばれるのも悪くない。



彼の伸ばした腕にそっと近づくと、ぎゅっと抱き寄せられる。


「ハルキ、もう行くの?」

「うん。でも、また来るから。」

そう言ってわたしのおでこにキスをひとつ落とした。

「待ってるね、」

「うん。行ってくるね、華ちゃん。」


屈んで視線を合わせると大好きな笑顔を見せて、彼は玄関を後にした。


閉まった玄関を見つめると、ひどく寂しくなる。
以前から感じていた虚無感とは違う。


単純に、別れたばかりなのに、すでに彼に会いたいという気持ちで心が支配されている。
ただ、ただ、寂しかった。


大きな玄関を見つめると、大きな隔たりを感じる。
きっと、彼らとわたしの関係は近いようでひどく遠いんだ。



彼らと一緒に出来ることで言えば、
きっと出来ないことの方が圧倒的に多い関係。
普通の関係ではない。


そんなことに今更気がついた。


普通のカップルが出来ることの半分も出来ない。
それなのに、なにが擬似恋愛だ。



契約書の内容を思い出して自分をあざ笑う。

(タレントの不利益になるような特別な感情を抱かないこと。)


これがなにを意味するのか、なんの為の項目なのか、ようやくわかり始めていた。




悲しくなんかない、寂しくなんてない。
あと、半日もすれば次の子がやってくる。



ここが、わたしの居場所なんだから。
わたしは少しも、寂しくなんて、ない。



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