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タワーマンションの恋人
第1章 * はじまり
「いきなり話しすぎましたね。すみません。」
そう言ってから、その人は名刺を渡してきた。
そこに書かれていた社名。
それは誰もが知っている大手プロダクションの名前。
そして役員という文字も添えられて居る。
「すごい…!業界大手ですね…。」
「実は今日、華さんに会社絡みのお話があって。」
そう言って、肩を抱くような距離で耳打ちしてくる。
「お話…?」
「うちの会社で働きませんか?」
「え?!」
唐突な話に驚きを隠せずにいると、その人は片方の口角を上げるように笑った。
「ご存知かと思いますが、うちのプロダクションには、たくさんの若手が働いています。今をときめく超有名人も居れば、ネクストブレイクを狙う新人まで、ピンキリですがね。」
「はあ…。」
「まぁ、彼らも人気商売です。彼らにとって最も足手まといになるものってご存知ですか?」
質問を唐突に投げかけられて、少し考えるも答えは出ずに「わかりません。」と答えれば「女性関係のスキャンダルです。」と返ってきた。
有名所のプロダクションタレントを思い浮かべて、
確かになぁ。なんて納得しているとその人は続けた。
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