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第5章 *　ハナ

華（ハナ）

この名前は、本名じゃない。
お店で使っていた名前をタワーマンションに移住してからも引き続き使っていた。

とはいえ、本名をもじった愛称のようなもの、小さい頃から呼ばれていた馴染のある呼び名。
なかなかのお気に入りだった。



そんなわたしにはユウリという、2つ下の妹がいる。
もう何年会っていないだろう。


妹は、いつも特別だった。
両親にとって、特別な存在だった。


決してわたしが愛されてなかったわけでじゃない、
わたしより、妹のほうがちょっと特別だっただけ。



でも、その（ちょっと）はわたしにとってはひどく大きくて、埋まらない虚無感は年々広がって、物心ついた頃から、いつもわたしは藻掻いてた。　





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