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タワーマンションの恋人
第8章 * ハルキ




「華に会って欲しい子が居るの。」


わざわざ新しい子をプレゼンしに奥原さんがやってきた。
いつもなら電話で済んでしまうことなのに珍しいことだった。


「ハルキって子なんだけど…」

そう言って差し出されたのは付箋が貼られた何冊かの雑誌。

「あっ、この子。知ってる。」

資料として置いて行ってもらった雑誌やドラマ、ミュージカル、舞台などのDVD。
それを観ていると、目的の人じゃなくても目をひく人が居て、それが彼だった。


「ハルキは多才だからね。色んな仕事してるから見掛けたことあるかも。」


「うん、いつも目をひく子だなぁって思ってた。」


ドラマやバラエティーを観ていると、
にこにこ爽やかで、時にはイジられたりして面白い子という印象なのに、踊ったり、舞台に経てばまるで別人のような目をして仕事をしている。


「なら、華はタイプなんじゃない?ハルキみたいな子。」なんてニヤニヤ言われるから全力で首を振る。

「違いますっ!ただ、目をひく子って認識してただけで…。」

「知らず、知らずに目で追うなんて、意地らいしいんだからっ!華はっ!」


「だから!違うってばー!!」

そんなこと言われたら、会う前から無駄にドキドキしてしまう。
そんなことを思っていると、奥原さんは少し気重そうに、話を切り出した。







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