• テキストサイズ
すこし歪な愛の形
第1章 すこし歪な愛の形
 







『日本一の煙管生産地たぁこの苺田市よ。おいらは苺田紋次郎、よろしくお頼み申します』

 ローカルテレビで流れるCMを見るたび、僕は思わずにやついてしまう。だって紋次郎は、僕の彼女が僕をモデルにして描いたキャラクターなんだから。

 ああ、誰かに言いふらしたい。紋次郎は僕とちーちゃんの愛の結晶なんだってノロケたい。時計を見れば、もうすぐ夜。キャバクラの女の子達なら、僕が望んだとおりに持ち上げてくれるだろうか。

「いっくん、今キャバクラに行きたいとか思わなかった?」

 すると背後から、笑顔のちーちゃんが迫る。笑顔だけど全然癒されない。振り返らなくても、黒いオーラを感じるんだもん。というかそもそも、なんでちーちゃんは僕の考えてる事が分かるんだろう。

「まさか……ちーちゃん、超能力者!?」

「お馬鹿」

 最近ちーちゃんは、僕に対して口が悪くなった。前は馬鹿なんて、絶対に言わなかったのに。けれどちーちゃんに言われるならむしろ大歓迎というか、なんか新しい嗜好の扉が開いたというか。

 要するに、ちーちゃんが僕を好きでいてくれるならなんだっていいんだ。

「いっくん、今日のご飯はいっくんの好きなハンバーグにしようと思ってるんだけど。キャバクラ行くならいらないかな?」

「え? 行かない、行かないから! ハンバーグの方がいい!」

「そう? それなら準備するね」

 なんだか色々誤魔化されているような気がしないでもないけど、今日も平和だ。きっと明日も、変わらず平和だろう。

「ちーちゃん、今日の食後のお茶も、いつものほうじ茶にしてね!」

 テレビに目を向けると、また紋次郎のCMが流れていた。



おわり


 
/17ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ