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第11章 友則

「でも、璃子はそうして、藤崎部長というイケメン彼氏が出来たわけだし、もう友則君のことで悩む必要はなくなって、本当によかった。新しい恋へと出発だね！」

　璃子の心は急にザワザワとする。

　心の中で、「もう二度と、友則君とお付き合いすることはあり得ないだろう」と璃子本人も分かっていたはずなのだが、それでも友則の優しい笑顔を脳裏から消し去るのは困難だった。

　黙ったままだと不審に思われそうなので、璃子がボソッと呟くように言う。

「そうだね……。新しい恋に」

　ここで藤崎のことを頭に思い浮かべ始める璃子。

　璃子にとっては、「結局、部長にとって私は『セフレという名の、性欲処理係』に過ぎない。色んなプレイを楽しむために、私を利用しているだけ」という印象が拭えなかった。