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ちょいS部長の羞恥レッスン
第12章 再び週末
 璃子が数秒間無言になったので、彩乃が言葉を続ける。

「あ、元彼っていう事実は変わらないんだから、今でも多少の気まずさはあるか~。ごめん」

「え、あ、いや……私も以前ほどは、気にしてないよ」

「やっぱり部長とラブラブなんだなぁ。羨ましいぞ~。で、普段の部長、どんな様子なのか教えて~」

 藤崎の話になると、「余計なことを言えない」ということで、気を引き締めないといけなくなる璃子。

 どうにか無難に切り抜けようと思って言った。

「う~ん、職場とあまり変わらないよ。口数が多いほうでもないし」

「それから、それから?」

 電話越しでも、彩乃の好奇心旺盛さがいつも通りはっきり分かるので、璃子は苦笑して言う。

「まだ付き合い始めて日が浅いから、よく分からないよ~」

「それもそうだね。突っ込んで聞いてごめんごめん」

 素直に謝る彩乃は、最近観た映画のことへと話題を変える。

 その後は元通り、たわいもない雑談が続いていった。




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