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第12章 再び週末

　しかし、「好きになったから」かということを考えると、璃子自身にも分からなくなる。

　ただ、関係が始まった当初よりはずっと、藤崎とのキスその他の行為に対して慣れてきていたのは、璃子も認めざるを得なかった。



　そんなことを考えている璃子の様子にはあまり注意を払わず、藤崎はコップを手にスッと立ち上がって言う。

「しっかりコーヒーを飲み干したみたいだから、恐らく尿意を感じるまでにそう時間はかからないだろう」

　こう言われて初めて璃子は、「コーヒーを一緒に飲む」という行為に秘められた藤崎の意図に気づいた。
　コーヒーの利尿作用を活用する、というその意図に。