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第2章 彩乃とおしゃべり

　そしてそのとき、璃子の心の中で、新たな懸念が生まれた。

　もし、彩乃の言うとおり、藤崎がＳだった場合、「藤崎部長とのセフレ関係が始まると、ハードなＳＭプレイをされてしまうのではないか」という懸念だ。

　普段から「血を見ることが大の苦手」「格闘技を見るのも苦手。誰かが誰かを傷つける場面なんて、たとえスポーツだとしても、私は見たくない」と公言している璃子が、「ハードなＳＭプレイは絶対に嫌」と強く思っているのも無理はない。

　もちろん、まだセフレ関係が始まると決まったわけではないし、藤崎がＳだということも完全に憶測に過ぎないのだが、先行きが不透明な現状において、璃子の心には幾つもの不安や懸念が浮かんでいた。



　そうこうしているうちに、注文したランチセットが二人のもとへ運ばれてきたので、いったん会話をやめる二人。

　ランチセットを食べ始めた二人の話題は、いつしかたわいもないものへ移っていった。