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第5章 部長との初めての夜

　シャワーを浴び終え、身体を拭いた璃子は、バスタオルを身体に巻いて、藤崎の寝室へと入った。

　シャワー前に服を脱いだ時点で既に、心臓バクバクだった璃子。

　これから上司と性交するということや、恋人以外の人と性交するのが初めてだということなど、その理由は山ほどある。

　ややもすると逃げ出したくなる気持ちを必死で抑え、璃子はそっとその場にかがみ込んだ。

　すると、予想していたよりもずっと早く、浴室の方から音がした。

　璃子は思わず立ち上がる。

　まもなく、寝室のドアが静かに開いたかと思うと、全裸の藤崎が姿を現した。

　藤崎の手にはなぜか、洗面器が持たれていたが、璃子はそんなところに注意を向ける余裕はない。