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ちょいS部長の羞恥レッスン
第1章 きっかけは大失敗から
「もしもし……島村です……」

 藤崎の言葉の直後、かすれた声で名乗る璃子。

 藤崎はいつもと変わらぬ機械的ともいえるほど抑揚のない声で平然と言った。

「で、何の用だ?」

「そ、それは……」

 喉はカラカラ、頭は真っ白の璃子だったが、「素早く簡潔に説明しないとますます怒らせることとなる」と分かっているので、必死に状況を説明した。



 相槌すら打たずに、璃子の説明を聞き終わった藤崎は、一言ポツリと言う。

「大変だな」

 声の調子だけで判断すると、全く大変そうではない冷静な声色だ。

 次の言葉を待つ璃子だったが、向こうが電話を一方的に切ってしまったのかと思うほどに、藤崎の声が全く聞こえない。

 それでも、藤崎の口数が普段から少ないことを知っている璃子は自らまた口を開いた。




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