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キスの後で…
第3章 の
まだ日があるうちに
「帰ります」
とベッドから起きあがった私に
「泊ってくか?」
と、笑いながら聞く。

私にそんな勇気がないの知ってて聞くんだから。

「帰ります」
「気を付けて帰れよ」
玄関まで送ってくれて
身を乗り出して、私にもう一度濃厚なキスをした。

「桃花、他の男にフラフラするなよ」
言ってる事はキュンキュン来るのに。
笑いながら言うもんだから・・・
私は小さくため息をついた。

「あ!そうだ。先輩の携帯番号教えてください」
「なんで?」

なんで?なんでって・・・
「彼女ですから・・・」
「桃花さぁ、彼氏と毎日電話とかしたいタイプ?」

そりゃ、初めて彼が出来たんですからしたいですけど。

「俺はそーゆーのダメだぞ」
はい。そんな気はしていました。

「毎日の電話もメールも期待すんなよ」
「はい」
「なら、電話番号いらなくねぇ?」

教えてくれてもいいじゃない。ケチ。
彼女とは言っても、電話番号も教えてくれないんだ・・・

「先輩。この関係って彼氏彼女でいいんですよね?」

「俺に好きな子が出来るまでは、な」
顎を軽くあげて
高飛車な態度で言ったセリフは最低なのに
やっぱりとってもカッコいい。

「じゃぁ何かあった時のために、私の電話番号教えます」
「いらない」

そういう先輩に無理やり電話番号を教えて部屋を出た。

先輩に好きな子が出来るまで。
それってどれぐらい続くんだろう。

いつまで『彼女』でいられるんだろう。
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