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キスの後で…
第1章 キ
それは思ってもみなかった言葉で。
私が出会った時にはすでに彼女と付き合っていた斎藤先輩は
誰が見ても彼女一筋で。
合コンなんて、私の知っている限り1度も出たことはない。

「なに?フリーなんだから行っても良いだろ?」

ちょっとムッとした顔をしたあとに、思いついたように
「俺、もしかして合コン初めてかも!」
なんていいながら携帯をリュックから取り出した。

「なに・・・しようとしてるんですか?」

大きなお世話の私の言葉に
「いや、初合コンのセッティングを柳下に頼もうかと思って」

そう言いながら携帯を操作する。

「あの!」
慌てた私の言葉にも斎藤先輩は顔をあげずに携帯の操作を続ける。

「なに?」
「だったら私と付き合ってください!」

「え?」
そこでやっと、携帯から顔をあげた斎藤先輩は
「なに?俺と付き合いたいの?」
意地悪にそう聞いた。

「はい・・・」

「ふぅ・・・ん。俺の初合コンのチャンスがなくなるわけだ」
「ご、合コンは!そんなに楽しいものじゃありません!」

「なんだよ。その言い方はダイブツちゃんは行ったことあんだな?
俺は行ったことないのに。生意気じゃん。
楽しいものじゃないって、逆に行ってみたいんだけど」

「・・・・」
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