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キスの後で…
第7章 …
数日後、風邪が治った斎藤先輩と二人でサークルの部屋に行くと
大好きな成田先輩が里香さんと一緒に来ていて
「成田先輩だ!」
と近づこうとしたら
「浮気すんな」
と、後ろから抱き止められた。

「珍しいカップルができたな」
と成田先輩はいつものようにカッコいい顔で笑って。

そんな成田先輩の隣で顔を寄せ合って笑っている里香さんは
本当にお似合いで。
二人のようなカップルになれたらいいな。と思う。

「あ、斎藤ちょっと待て」
成田先輩の目の前を通った斎藤先輩を
成田先輩はグッと引き留めて。
髪の匂いをかぐ。

「里香。ちょっとかいでみろよ」
斎藤先輩の頭をグッと曲げて里香さんの目の前に差し出した。
「イテテテ。やめてくださいよ」
抵抗したものの、斎藤先輩も1コ上の成田先輩には強気に逆らえなくて。

「あらら」
その匂いをかいだ里香さんも嬉しそうに笑った。

「何ですか~?」
私も仲間に入れてもらおうと匂いをかごうとしたら
「桃花はいいんだ」
と、斎藤先輩が姿勢を正したので
背の高い斎藤先輩の髪の匂いはかげなかった。

「そういうことなんで」
なんだかドヤ顔で言った斎藤先輩に
成田先輩と里香さんは
「はいはい」
と笑う。

「斎藤君のシャンプー。ピーチの匂いがした」
里香さんがそっと教えてくれて
その言葉に、私は真っ赤になった。


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