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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第13章 交差-人間模様



そんな程度の奴なら、美紀があそこまで傷付く事は無いだろう。


では何故、急にナリを潜めた??


私達には、それを追求する術は無い…
それが出来るのは‥早乙女くらいだ。



「今のところは、体調も良好なようで安心している‥だが……」

『向こうが何時動き出すかか………』

「そうだな…
今のままが続けば良いとは思うが、そうはいかないだろうくらい私にも分かる」

『・・全力は尽くすよ…
今はそれしか言えない』

「ああ…
そうだな‥また隙を見て連絡する」

『分かったよ・・・』


あまりに長いと、美紀が帰って来てしまう可能性がある、もう少し話したい事もあったが、私はあえて電話を切る事にした。







 "パタン"



携帯を閉じて、今の倉原との会話を考える。


吉田春夫がナリを潜めている、それはあの書き込みが学校中の噂になり、自身動きが取れないから‥それは把握済みな事。


もしもの手段だったのだが、意外に吉田春夫の動きを止めたようだ。



「今の内に何か掴めれば……」


あの男が動かない内に、証拠の欠片でも捕まえられれば一番最適、可能性は低いようだけど……


用心深いというのは本当らしく、あの者でもなかなか潜り込めない、そう報告が来ていた。


どうやら、吉田春夫の自宅に忍び込みたいとか…
流石に今この時期に、それを実行されると都合が悪いので、私が止めたのだが、様子を見てGOサインは出したいとは思っている。


多分、それが一番の近道、私だとて理解はしている、だが動かない内は自宅に居る可能性が高い、リスクは少ない方が良い。



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