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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第13章 交差-人間模様



「・・人というのは、鬱憤が溜まった時の方が危険だと思いますが…」

「それは私も危惧している」


次に吉田春夫が行動に移した時が、一番危険だろう‥それは理解はしているが……



「やはり、先に美紀様の安全の確保を…」

「・・・
今、それをしてしまったら、吉田春夫をみすみす逃がしてしまう事になる」

「ですが………」

「遠藤‥いや伊織…
私は吉田春夫を逃がす気も許す気もないよ……
最後まで追い詰める、あの男が立ち上がれないくらいにね」

「会長………」


久しぶりに伊織なんて呼んだ…


遠藤伊織は私の父の姉の孫、つまり少し遠いが、叔父甥の親戚関係にある。


父の姉の方が嫁いで、早乙女姓から遠藤姓になってはいるが、可愛い甥には変わらない。


叔母と一緒に、子供の頃はこの屋敷にも遊びに来ていた、つまり小さい頃から伊織を知っていて、叔母のたっての頼みで、秘書として早乙女邸にやって来た。


勿論、繋がりは伏せたままで…


その中で第1秘書まで上り詰めたのは、伊織自身の力、私は贔屓も手も貸してはいない。



「・・ふぅ……
何時になく本気ですね」

「当たり前だよ…
美紀の命が掛かっているからね…
美紀を失う事だけは‥避けたい」

「はい……」


伊織は勿論知っている、私が美紀を女として愛している事を…
それを踏まえた上で、動いてくれている。



「差し出がましい事ですが…
このまま美紀様とお会いにならなくて宜しいのですか??」

「止めたのは伊織達だろう?
だが、今となっては会うべきでは無い、そう思っている」



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