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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第3章 夜に紛れて


夏はあの人を連想させる、だからもうスケッチブックは開かない。


ぁたしは忘れたいの、全てを…


恋した事も父親の事も、あの人の事を全て無かった事にしたい……



・・出来るワケ無いのに・・



「あ…眼鏡……」


顔を洗いに行くだけだと思って、眼鏡をベッドに置きっ放しにしていた。



 "カチャ…"



眼鏡を掛けた硝子越しの世界…


今のぁたしはこれで良い、裸眼で見る世界は辛過ぎるから………





 "ピピ‥ピピ‥"



「んー?
電話??」


こんな時間に?


日中なんて、普段はみんな寝てて電話なんて掛かって来ないのに…


携帯のディスプレイを見れば"冬二"の文字、あまり良い予感しないんだけど…


仕方なくだが、携帯の通話ボタンを押した。



「もしもしぃー」


『よう美紀、起きてたか?』


「んー
今起きたとこ、こんな時間に何の用なのよ??」


ホントに、普段の冬二にはあり得ない時間。



『ああ、夜例の場所で待ってるから来いよ?』


「行くのは良いけど、ゆかりは?」


『シカトに決まってるだろ!』


「えー!
ゆかりに見付かったらメンドいし…」


『バレなきゃ良い話さ、待ってるからな!』


「あっ、ちょっと…………って切れてる……」


言う事だけ言って、切りやがった…


ある意、味冬二らしいけど……



流石、ここら辺を仕切ってるだけあって、冬二は俺様気質…
仲間内には気前が良いが、一度敵と見なした奴はトコトンまで追い落とす。



「あーあ、今日は冬二とかぁ…」


例の場所‥つまりラブホ


ゆかりが居るのに、何故かぁたしが良いらしい、男ってこんなものか………


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