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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第5章 その時・紀永-


この4ヶ月、何度も考えた。


遠藤では無く、私が直接倉原宅に行く事も……



だがそれは、遠藤達秘書共に止められたが…


美紀の事は秘密裏、私が動けばゲスな勘ぐりを呼ぶ…
こういう時、己の立場が恨めしい、会長職という立場が、軽はずみな行動を許さない。



「・・ふぅ・・」


もう一度深い溜め息を吐き、窓から離れ椅子へと戻る。


書類は片付いたが、まだ仕事は沢山ある、机に置かれた沢山のモニターを眺めながら溜め息が…


早乙女系列の会社から送られてくる、日々の営業情報…
大企業になってしまい、送られて来る量も膨大。



(ここまで大企業にする気は無かったのだがね)



傘下が傘下を呼び、早乙女グループは未だ成長を続け、止まる事を知らない。



「・・・会長・・・」


「?
どうした??」


何時もならば、遠藤は承認した書類を各会社に戻す為に、屋敷には居ない時間。



「それが…
美紀様の件でご報告が……」

「どういう事だ?」


午前中の忙しい時に、遠藤が美紀の話を持ち出すのは珍しい。



「・・結論から言わせて頂ければ、美紀様は学校にも夜の街にも行ってないようです」

「・・・??」


この4ヶ月、悪いと思いながらも美紀の身辺調査はしていた。


付属高を辞め、夜間学校に入り、夜は街に出て遊び歩く。


人が変わってしまったような美紀の行動、いや違う、変えてしまったのは私だ……



「自宅から出る事は少なく、たまに学校に行っても、街に出る事無く帰宅…
稀に街に出る事はあるそうですが、そうなると最低数日間は自宅に閉じ籠もりきりとか……」

「街に出た後、籠もりきり??」


何かが不自然だ……


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