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第2章 衝撃的な出来事

「？？
私の顔に何か付いてるのかな？」
「えっ！？
い、いえ……ただ綺麗だなって思って……。
あれ……何言ってるんだろう私……」

恥ずかしくて、顔が真っ赤になっていくのが分かる。
しどろもどろで、とんでもない事を口走った事だけは理解しているつもり。
私は思わず俯いてしまい、次の言葉が出ない。

「くすっ、君変わってるね。
私から言えば君の方が綺麗だよ。澄んだ瞳をしているし、それにその長く綺麗な髪……きっと心も綺麗なんだろうね」

男の人は優しく笑って私に話掛けてくれる。

「……私、綺麗なんかじゃ無い……です……」
「そうかな？
私は綺麗だと思うよ？」

何とか頑張って顔を上げると、其処には優しい笑顔がある。
何時振りだろう？
こういう純粋な笑顔を見たのは……。

「あ、あのっ！
すみません、お邪魔……ですよね………？」

此処は絵も売るアトリエなんだから、私がいたらきっと商売の邪魔になる。

「そんな事は無いよ、なにせ開店休業みたいな所だからね、私の趣味だよ」
「趣味……ですか？？」
「そう、君は絵に興味があるのかな？」


私は周りの絵を見回して、…すると自然に言葉が口から出た。

「私……こんな絵が書いてみたい……」
「じゃぁ、暇な時に此処においで。
午前中はやっていないけど、午後からなら此処に居るから、教えてあげられるよ？」
「えっ？
良いんですか！？」
「良いよ。私も此処で一人なのも寂しいからね」

そう言って、また私に優しく笑う。

「じゃぁ……じゃぁっ！
暇な時に来ます、絶対にっ！！」

私は久しぶりに本当の笑顔を見せた気がする。不思議とこの人に惹かれて、自然と笑顔が出てくる感じがする。

「うん、待ってるよ」
「はいっ！！」

このなにげない約束が、その後の運命の始まりだった………。