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第50章 揺

イケメンのインストラクターはいる？


いるよ？

でも、詩織は俺がいるから、通うと思うよ。。。？


自意識過剰っ。。。

考えてみる



ジムの場所と電話番号を書いて私に渡す


電話して？


まだ、決めてない


髪を撫でながら抱きしめてくる


偶然に逢えるのを待ってる。。。

惹かれて、逢いたい。。。


まだ、決めてないって？


帰るか。。。？


帰りたくない。。。


ギュッって抱きつく


帰さないよ？


それも、困る。。。


わがままなヤツだな？


好きでしょう？


好きだよ。。。


私も、好き。。。

あんまり、くっつくと香水の匂いがついちゃうね。。。


離れがたくて、何度もキスしていく


ホテルから出て、別れていく

振り向きたくなくて、すぐにタクシーに乗る


いつかの別れは、いつだろう。。。

すぐかもしれない

まだ、先かもしれない。。。

その日が来るまで、何度もキスして抱きあいたい


逢いたい。。。

愛してる。。。


言えたら、いいのに。。。？

言ってしまったら、戻れない。。。

涙も流れない。。。

ズルい私。。。

愛してる人も、愛してくれる人も、両方が欲しい。。。

離したくない。。。


人のものをとったら、とられちゃうよ？


高校生の私が言う。。。


とられちゃうよ？


とられたじゃない。。。


わかってる。。。

直樹とは、別れが待っている

わかってる。。。

でも、その日が来るまで、一緒にいたい。。


タクシーから降りて、時間を見ると7時


陸からメールがきている

塾に行ったみたいだ

電気がついている家には入りづらい。。。

迷っていると、玄関が開いて、誠が私を見る


おかえり？

入らないの？


っ。。。


黙って、家に入る

玄関で、私をドアに追い詰めてくる


ただいまは？


プイッと、横を向くと顎を掴み、私を見る


ただいまは？


っ。。。


睨んで見ると、誠の悲しげな目が私を見る


離して？

んっ。。。


無理矢理キスしてくる


イヤ。。。


涙が流れてくる

泣きたいわけじゃないのに、勝手に泣き出していく


抱きしめられて、涙を拭われると切なくなる

泣くなよ。。。？

ごめん。。。

甘く優しいキスが苦い。。。