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第50章 揺

さっさと、体を洗って出ていく誠を睨みながらお湯に浸かる


お風呂から上がり、ビールを飲む


陸は？


私が聞くと、誠が私を見る


塾に戻ったよ？

忘れ物をとりに帰ってきたらしいよ

詩織、飲んでるの？


誰かのせいで、イケてないから体が熱くて冷やしてる


なんだよ？

クスクス笑う


今日、どこに行ってたんだよ？


内緒。。。


買い物してたんだ？


私の紙袋を見る


悪い？


何、買ったの？


誠の嫌いな黒のワンピース


何で？

最近は、黒の服は着てなかったのに？


私は、黒の服が好きなのっ


なんだよ？

まだ、怒ってるのかよ？


離れて座ると、ソファーに引き寄せてくる


悪かったよ？

ごめん。。。？


楽しかった？


え？

まあな。。。


バカっ。。。離してっ


誠を睨みながら離れる


蓮と、陸が帰ってきた音がする


二人揃って帰ってきた


もう、寝る。。。


二人が帰ってきたのを見て、ビールを持って寝室に入る


三人とも、それぞれの時間が流れている

私だけ、取り残されたみたいで悲しい。。。


携帯が鳴るのを見て電話に出る


はい。。。


詩織？

今、大丈夫？


直樹の声が聞こえる


こんな時間に、電話して大丈夫なの？


何か、声が聞きたくて？


ふふっ

変なの。。。


泣いてた？


泣いてる。。。


寂しくて、涙が流れてくる


泣いてる気がしたんだ。。。

抱きしめてあげられないけど。。。？


そうね。。。


詩織？

自分でギュッって抱きしめて？

俺もギュッって抱きしめるから。。。？

きっと、伝わるよ？


逢いたくなるよ。。。？


何で？

俺は、いつも逢いたいよ？


もうっ。。。


好きだよ？

また、電話する

おやすみ？

じゃあな？


うん。。。

またね？


短い電話を切り、履歴を削除する


自分で自分を抱きしめてあげる


心で、直樹を呼ぶ。。。

逢いたい。。。




ビールを飲みながら、本を読んでいると、誠がベッドに入ってくる


私から、本とビールを取り上げてキスしてくる


やだっ。。。


無理矢理、抱きしめてキスしてくる


声、出すなよ？

聞かれるよ？


っ。。。