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Vesica Pisces
第21章 …1。
三日後。

放課後、突然届いた一通のメールに、慌てて鞄を掴んで駆け出していた。

空港行きの特急に飛び乗って、搭乗ゲートまで走っていた。

「はぁっ、はぁっ…っ!ヴィクター!!」

「あい」

思わずここまで来たのはいいけれど、どうしてなのかわかるようで分からない。

「あの、あのね!あの言葉の意味って…」

「i love you」

先に答えをくれるヴィクター。

「トールに写真を見せてもらってからずっと想像してた、やっと会えたら想像以上だった、あいのこと、すきだよ」

「わ、たしも…たぶん…すき」

曖昧な告白にヴィクターは首を傾げた。

「たぶん?これでも?」

少し身を屈めて、ヴィクターはキスをした。

「どう?」

「…す、き、かも…」

「まだそんな事言う?」

荷物を足元に降ろすと、両手で頬を包み何度もキスをしては確かめた。

「…ンッ…は、ぁっ…ヴィック、すき」

「でしょ?じゃあ、あいは僕のものだよ、余所見は許さないから」

ヴィクターは身につけていたネックレスを外すと、そっと首に掛けたくれた。

「これは僕の全てを奪ったやつ、一時だって忘れた事はない、あいが持ってて、あいのこと一瞬だって忘れないから」
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