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禁煙チュウ
第14章 臨時休業
「もうちょっと寝転んでていいですか」
石井が布団を持ち上げる。入って、と石井の目が言う。
石井の裸の胸や腹が見える。

下半身が反応しそうになるのを堪えて、夕べ石井に着せたスェットをとると石井に着させた。
体を起こすとやっぱり眉間にしわが寄る。
痛いんだ。

カーテンを閉め直して、自分も下だけ履いて布団にもぐりこむ。
そっと抱き寄せると石井も身を寄せてきた。
し、しあわせ……。

抱きしめあって、キス。
帰んないで、とか言っていいのかな。
もっとそばにいたいな。

……よし。
「石井、今日休みにしようぜ」
「え?」
昨日の今日で休みにしたら、もしあの二人が来たらもうバレバレになるだろうけど。
一瞬昨日の店での醜態が蘇る。

「動くの辛そうだし、いいよ。俺もまだ、アレだし」
「アレ?」
石井が首を傾げる。
「あー、その」
照れるな。
「まだ、一緒にいたいし」
うおー恥ずかしい。
抱きしめる腕にそっと力を入れると、石井はおでこを俺の肩に擦り付けてぽつりと
「わたしもです」
と呟いた。

たまらない気持ちになる。
石井は誰かさんみたいにいなくならない。どこか自分の中で閉じていた気持ちがゆっくりほどけていくのを感じた。
痺れるような嬉しさを噛み締めながら目を閉じると、石井のぬくもりに包まれるように眠りに落ちた。
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