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禁煙チュウ
第14章 臨時休業
夕べここに……と思い出して下半身が反応しかける。
痛いっつってんのに。男はどうしようもないなと瞬時に反省する。

「ん、大丈夫です。多分」
多分……。
「ごめんな」
そっと抱きしめる。
「大丈夫ですってば」
石井の落ち着いた声。肌の匂い。体温。柔らかな感触。
全部が昨日までよりずっと近くに感じられる。

体を繋いだ後の不思議な連帯感。
石井を大事にする。それだけが心に浮かんだ。

「とりあえずお知らせだけ張ってすぐ戻るから」
ずっとこうしていたくなるのを堪えて体を離す。
星空を消してカーテンを開けると暮れかけた空が見えた。
「はぁい」
とまだちょっとぼんやりした石井がもぞもぞと布団から出る。

生白い足がすうっと伸びる。
目が釘付けになりそうになるのを堪えて俺も布団から出る。

「なんかいるもんあったら連絡して、適当に買い物してくるし」
適当に着替えを済ませてロフトを下りる。

「いってらっしゃい」
見上げると石井が上から覗いて手を振っている。
寝癖がついてても可愛く見える。
ぎゅっと胸が詰まった。

こんな好きになっちゃって大丈夫かな。
素直に浮かれられないのは歳のせいか。
そんなことを思いながら部屋を出た。
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