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お兄ちゃんの代わり
第1章 失踪
有り得ない...

え?昨日までお兄ちゃんいなかったけ?

普通にご飯も食べてたし。なにか様子がおかしいことも無かった...はず。

でも、お兄ちゃんを朝起こしに行ったら何故か隣の部屋は空っぽで。

そこまではたいして気にはならなかった。

朝早くから出かける用事あったのかな?とか、そんな感じで思えたから。

だけど!!!

3日たっても帰ってこないっておかしいですよね!?(滝汗)

明らかにおかしい状況。

そして一大事に母が気づいた。

「ねぇ、奏多(かなた)の入学式いつでしたっけ、お父さん。」

「いつだったか...あ、明後日じゃないか?」

いや、もっと焦れよ。

え。てか、明後日!?いなくても大丈夫なんだろうか...。

お兄ちゃんがいない状況でどうするのかなぁ?と他人事のように思っていて。

今2人が私を見てることになんて全く気がついてなかったばかりか、携帯のゲームに熱中する。

「あのね、お母さんからお願いがあるんだけど♪いいかな?^^*」

あ、嫌な予感。

母がこんなぶりっ子する時は、決まって嫌なことしか起こらない。

喉が自然とゴクリと鳴る。

「なっなに??」

2人の普段見せない眼光にたじろぎながら問いかけた。

「心奏。お願いだから!奏多(奏多)が戻ってくるまで行ってくれない!?」

嫌な予感的中ですわ。

いや、確かにね。お兄ちゃんと私は双子だし、背格好、容姿は似てるよ。

だけど!!!問題はそこじゃない。

お兄ちゃんの受けて受かった高校...男子校なんです。

嫁入り前の娘に行かせる気なんですか。。

「お母様...わっわたくし、絶賛引きこもり中でございまして、家からもうかなり長い間コンビニ以外で出たことないんですよね(滝汗)この任務、そんな私には辛くありませんか!」

「知ってるわよそんなこと。中学の時なんて、奏多くんに妹さんいらっしゃったの!?とか、心奏って実は幽霊で存在しない生徒なんだよ...とかさんざん言われてきたくらいですからね。」

え、初耳。何その言い草!確かに行かなかったけど学校!だからってそれとこれとは別というか...

「あ、これ命令だから♡行かないと...このお家から出ていきなさいな。」

そんな...無慈悲なことを...

「喜んで...行かせていただきます...」

私の敗北が決定した瞬間だった。
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