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帝都被虐奇譚 美少女探偵助手の危険な冒険、ふしだらな願望
第8章 男子禁制の園での秘事
「うふふふ、篠宮先生もですね、お仕事の時間以外はごく普通のお兄様、という感じですわ。ですからわたくしもですね、助手、というよりは妹のような気持ちでお仕えしております」
彼女がする身の上話も公人であり、自由の少ない寧子嬢には、どれもこれも新鮮でした。聞き入るばかりの寧子嬢に、今度は少女が尋ねます。
「寧子さまは、お忙しい日々で、どんな愉しみをお持ちなのですか。ぜひお聞きしたいわ」
まるで恋する乙女のようにらんらんと瞳を輝かす彼女に心奪われそうな高貴な御方は、普段ならば口にしない本音を現代流にいうところの「女子トーク」で吐露します。
「わらわは・・・いえ、私はそなたほどの自由がない。ああ、退屈な日々よ、自由が欲しいわ。特に、あの奇怪な盗賊に狙われてからは鳥の籠よ。でも身の危険を感じるなんて御免だわ。皇族に生まれさえしなければ、そなたのように異性に胸をときめかすこともできたし、身分制度が求める結婚に悩むこともなかった。ああ、新鮮な刺激が欲しいわ」
そんな、下々の者には理解できないお悩みを聞き出した少女は、これまで屈託なかった表情に、微かに影の色を忍ばせます。

「さようですか、実はわたくし、独断で寧子さまにお一人でも御愉しみ戴ける贈り物をお持ちいたしましたの」
少女は、すっと椅子を立つと、寧子に並びかけぐっと身を寄せてきます。少女特有の甘い体臭が寧子嬢の鼻腔をつきました。
「お開けになってみて、お姉さま」
ちょうど妹くらいの年ころの可愛い少女にそう言われると、寧子嬢もどこか嬉しくなり、差し出された黄色い小箱を受け取ってしまいます。
「ま、まぁ、なにかしら?」
その蓋をそっと開けた寧子嬢、思わず赤面しました。
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