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17歳の寄り道
第7章 【碧編】来訪者
小林先輩と結愛ちゃんと遥は、同じ中学に通っていたらしい。
小林先輩は小さい頃からずっと野球をしていて、結愛ちゃんは中学の野球部マネージャーをしていたそうだ。
先輩はうちの高校には推薦で来たのだが、高1の時に肘を故障して、退部し――先輩が荒れたのは、それから。

村上先生に小林先輩のことを聞いた時、何か言葉を濁していたのが頭の中でカチっとつながった。

「退部してから変わったよ、先輩は。それまではすげーモテてて。まあそれは今も変わらねぇかな…」

女の子をとっかえひっかえして、結愛ちゃんを泣かせる先輩。
それでも別れられなくて、結愛ちゃんが傷つくたび、遥に泣きついていたということか。

遥の瞳を見つめる。
一寸の曇りもない瞳を私に向けている。

「好きでもない女送り迎えするかよ、バーカ」
と言いながら、遥の表情は愛に溢れていて、涙が止まらない。

「だって、バイクのデートだって…」
「生理中にずっとバイク跨ってんのキツくね?」
「でも、エッチできないからやめとこーって言ってたし…」
「だって、やりたくなるじゃん。一緒にいたら」

遥は身体を起こし、私の唇をぺろっと舐めた。

「!」

ぎゅっと目を瞑ったら、今度は普通のキス。
こんなにピュアなキスをされたら、罪悪感で押し潰されそうになる。

「…だめ…私、遥だけじゃないもん、もう…」
「は?誰?東野か?」

途端に遥の目つきが変わった。東野君には、すごい敵対意識を持っている。

「…東野君じゃない」
「じゃ、村上か。あのロリコン」

視線だけで動けなくなるぐらいの、鋭く尖った目を向けられて、何も答えられない。


「何してんのお前…」


遥は、はーあとため息をついて、あぐらをかき俯いた。

「ごめん…」
「……………何したの、村上と」
「…言えない…」
「言えないようなことしたのか」

村上先生のことは誰にも秘密――。
私が黙っていたら、遥は苦しげな顔をして頭をぐしゃぐしゃに掻き毟る。

「バカじゃねーの、お前も、村上も、先輩も結愛も…クソ親父もクソババアも………バカばっかり」
「遥……ごめん」

苦しむ遥に寄り、ぎゅうっと抱きしめる。

遥のこと、もっと知ろうと努力すればよかった。
遥に、好きだって言えばよかった。

涙を流す遥を抱きしめ続けた。村上先生の痕跡が残る、この身体で。
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