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第1章 停電中





「藤井 和夫さんのお宅でしょうか」

「はい、そうです」

「ご主人様はご在宅でしょうか」



暗がりの中業者さんとやり取りをする。



「父は今は、ご在宅ではありませんが、私一人在宅中です」



元々は、この家には父の両親が住んでいた。

今は祖父母も他界して空家になっているところを、父の令で、私が住居している。

気ままなお一人田舎ライフをそれなりにエンジョイしている。



「電力会社からの依頼で来た、神矢ともうします。」

「自己紹介はいいですから、早く直して下さい。
…ってか、アナタ電気持ってきてます」

「あっ、はい」




手元に持ってきていた作業用のライトをつけたのだった。

暗がりの中に急に明かりが灯り、目を瞬かせながら光に慣れるのをまった。

暫くして、目がなれたので作業員さんを見る。

そこには、ガッシリとして精悍な顔立ちの私のストライクゾーンの男がヌボーと立っていた。




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