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第1章 停電中





ガタンッ、ゴッツッ…



はぁー、停電で良かったよ。
ここ数年の田舎ライフで男っ気無し、知り合いは、数キロ先のじっちゃん、ばっちゃん。

仕事も引きこもり。

元々マメではないのでチラシ放題。

キッチンの扉の上のブレーカーにご案内。

非常灯を渡されしたから照らす。

その時、漏れる明かりに照らされて胸の前で非常灯を持っている私の胸元を作業員君がどのように見ていたなんて、ブレーカーにピンポイント照明していた私には、彼の欲を孕んだ視線には、全く気づいていなかった。



「ブレーカーは異常ありません。
他にも設置してる場所ありますか」

「…ガレージ近くにあったかも…」

「…かも」

「定かでは…」

「チェックしてみましょう」

「…お願いいたします」



その行為が、住んでいる家屋の大まかな間取りを教えているなんて私にはわからなかった。




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