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第62章 彼女と私

「誰だって人を好きになると胸が苦しくなるでしょ。

私は大袈裟にちょっと見せただけ。
入院だってする気はなかったのよ。
本当は大丈夫なんだから。

私の心なんて誰も見えやしないんだから」


私は唖然とした。


この人は病気の自分を演じそれを武器にして、
理人を縛っていたのかと思ったら、怒りに震えた。


でもまだ話は序章に過ぎない。


ここは冷静に話を進めなくては…


「そう、良かった。あなた病気じゃないのね」


本当でそう思った。


正気なら真っ向から話ができる。