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恋はいつでも平行線【完結】
第6章 *六*
 臣哉は『抜くのは無理』と言ったのに、さすがにわたしがすごく嫌がっていることに気がついたのか、ゆるゆると腰を離してくれた。
 デリカシーなし、人の話を聞かないと、いいとこなしの臣哉だけど、本気でわたしが嫌がっていることに気がついたのか、止めてくれるのかとホッとしたのだけど……。

 臣哉は抜けるか抜けないかの極限までいったところで、にやりと嫌な笑みを浮かべた。
 え……? と固まっていると、軽く腰を揺すった後、勢いをつけ、思いっきりナカへ押し込んできた。

「きゃっ!」

 油断していたのもあるんだけど、思ってもいなかった突然の刺激。勢いよくナカを擦り上げられ、思わず悲鳴を上げた。

「っ! な……んでっ」
「そう簡単に、抜くわけないだろ」

 臣哉はそういうと、わたしの胸を揉みながら、腰を揺らし始めた。
 臣哉が動く度、ナカが変に広げられ、痛みが生まれた。

「んっ、や……! 痛い、やめ……て」
「すぐによくなる」

 嫌だと意思を伝えるために、首を振ったけれど、臣哉は笑っただけだった。

「しっかし、口では嫌々言うのに、ナカはぬるぬるの濡れ濡れなんて、おまえ、オレに惚れてんの?」
「……んなわけない!」

 それは絶対ない。
 わたしが臣哉のことを好きだなんて、ありえない!

 そもそも、わたしの好みは……。
 とそこでふと、自分の好みがないことに気がついた。

 え……と?
 わたし、彼氏を作って、あわよくばその人と結婚! と思っていたけれど、具体的な理想があったわけでも、それに向けて努力をしたこともなかった。

 それなら、臣哉でも問題ないんじゃない?

 ……いやいや、問題ありまくりよ!
 だってわたし、臣哉のこと、好きじゃないし!
 正直いって、臣哉みたいなナルシストは嫌いだ。

 それに、さっきの一言で、臣哉は自分の見た目をしっかり知っていて、自惚れていることがよく分かった。
 だからこそ、ナンパしても連敗続きなのは、自分に原因があるわけではなく、外部に原因があると思いこんでいるのだろう。

「あんたみたいな、傲慢男、こっちから願い下げよ!」
「おまえ、知らないのか? 世の中の女子は、傲慢男子が好きなんだよ!」
「…………」
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