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恋はいつでも平行線【完結】
第9章 *九*
 わたしの仕事は、敬人伯父さんが売るために集めてきたのに問題があった骨董の管理だけではない。
 臣哉のせいで朝から激しく体力を消耗させられてしまったけれど、店番もしなくてはならないのだ。しかし、今日は幸いにも遅番だった。
 臣哉は夜にまた来ると言っていたけれど、残念ながらそれはできないと気がついて、ホッとした。

 敬人伯父さんが経営しているのは、『アンティーク*リンティ』という名前の骨董店だ。
 わたしが住む家から歩いて二分ほどの場所にあり、通勤はとても楽だ。
 店はそれほど広くはないけれど、常連さんも多く、来客はそれなりにあるので、スタッフは常に三人体勢を取ることにしていた。
 ちなみに、仕入れは伯父さん一人でやっている。最近では、わたしの兄が子どもがいない伯父さんの跡を継ぐと言って、つきっきりで勉強させてもらっているようだ。

 店の営業時間は、朝の九時から夜は二十一時までで、早番は朝九時から十六時、遅番は十四時からラストまで。二時間ほどかぶる時間があるのは、接客だけではなく、バックヤードで片付けや補充、企画やPOP作り、お客さんへの連絡などという細々とした事務仕事があるからだ。
 定休日は特になくて、みんな交代で週二日休むことになっていた。
 ただ、土日、祝日はやはりお客さんが多いので、四人体勢になることも多い。

 来客は多いけれど、骨董という性質上、次々に物が売れていくということはない。それでもこれだけの人を雇っても問題がないってところが、伯父さんのすごいところだと思う。
 前に疑問に思って、経営は大丈夫なのかと聞いたところ、敬人伯父さんはにっこりと笑って、わたしのおかげで収入が増えたと笑っていたけれど……。
 それってどういうことなのでしょうか。

 ……まあ、それはともかく。
 朝一番で疲れさせられてしまったので、朝ごはんを食べた後、わたしは軽く寝てしまった。
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