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セックスレス・快感と安息を求めて-
第9章 旦那の幼なじみ・伊藤俊雄



とりあえず、オヤジと伊藤さんが昔話で盛り上がり、私はチビチビとビールを飲んでいるだけ。


酒の当て馬に連れて来られたらんだから、これは仕方ない、隠れて溜め息を吐きながらビールの本数だけが増えていく。


ああ‥意外にまだ飲めたんだなーって思う…
でも、20代の頃のような1日1箱とかは無理なよう。


そう、私は仕事をしている間に30代になっていた。


アラサー‥完全にオバチャンじゃん…
病気のせいもあってか、20代の頃のノリは無い。


ただ無難に、オヤジと伊藤さんの成り行きを見守っている‥そんな事が何度も続く事に……



あの見た目で、伊藤さんは気前が良い。


同じ街の居酒屋・スナックとハシゴし、全部伊藤さんが奢ってくれるし、オヤジ並に腰が軽く、用事がある時は車を出してもくれる。


家が近いだけに行き来が頻繁になり、オヤジが仕事の時は私1人呼び出される事もしばしば。


でも、一線は引いていた…


病気のせいで内に籠もるようになった私は、あまりそういう方向に向かなくなってしまっていて、自身で切り付けた痕もあるので、何もする気が起きない。



そんな行き来が数ヶ月続いたある日、オヤジは仕事で居なく1人でゲームなんかしている時に、私の携帯に伊藤さんからの着信が……



「・・はい・・」

「鞠、飲みに行くぞ」

「オヤジ居ないよ?」

「秀なら別にいいだろ、1人で来れんのか?」

「そんな訳じゃ無いけど…」

「じゃ17時まで来いよ」


マジか……


気乗り‥あまりしないんだけどな。



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