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第1章 チチカエル

プワーッ…

『もっ、やぁだぁ！！』
『ねぇ、ねぇ、聞いたぁ？』

車のクラクションが鳴り渡る、駅の改札口。友達と大きな声で話してる女子学生達の楽しそうな声を背後に、私は、重い気持ちでいた…。

「7月1日に、出所する。駅まで迎えに来てくれないか？電車賃、預かったと看守から聞いた。ありがとう。佳祐。」

謝罪の言葉すらない、冷めた内容の手紙が刑務所にいる父から届いた。