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篠突く - 禁断の果実 -
第5章 本編五話 運命、そして (前編)
 帰宅して早々、孝哉は玄関で悠を押し倒した。硬い床の感触を、ブレザー越しに感じる。冷気に冷やされたその床は、そっと触れた太股をびくりと震わせた。
 時刻は午後五時。外は既に暗く、ツンと鼻をつく冬の空気が痛い。普段は母親が買い物に行っている時間だが、いつ帰ってくるのかわからないため、孝哉の部屋で鍵をかけて行為をしていた。だが、今日から三日間、彼女は父と共に結婚二十五周年の旅行で留守だ。思う存分、弟と愛し合える。いつでも、何処でも。

「ふぅ……ん……」

 孝哉が悠の唇を強引に塞いで貪るように舌を絡めると、隙間から彼女の吐息が漏れた。互いの唇を食むように繰り返される口づけは、照明の点かぬ静かな家に唾液の音を響かせる。初めての日から一年と少し、女性経験は姉だけ。当然、テクニックなどまだまだ足りず、だが、互いを好きな彼らにとってそんなことはどうでもいい。姉と、弟と。愛しい人と、その行為をすることが大切なのだ。

「孝哉、部屋」
「……わかったよ」

 この調子では、きっと孝哉は激しく悠を求めるだろう。そうなれば、こんな硬いところでは互いに腰や脚を痛める。急くように攻めていた孝哉は、口づけの合間に上がった姉の言葉に渋々頷いた。
 急にふわりと体が上昇するのを感じたと思えば、悠は孝哉の腕によって横抱きに抱えられていた。俗にいうお姫様抱っこというやつだ。実際にやられると少し怖いのだが、しているのが弟だからだろうか。体を包む逞しい腕には、不思議な安心感があった。
 ――昔は泣き虫で、いつも私の後をくっついてきていた弟だが、随分と男らしくなったものだ。
 悠の唇が微かに弧を描いた。
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