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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第7章 遠藤の葛藤と甘い夜-



「・・・!
うわっ、コーヒー落ち終わってる!」


考えがあらぬ方向に向いてたんで、一瞬コーヒーメーカーの事を忘れてた…
本当にこの癖だけは直らない‥らしい。


カップにコーヒーを移して、部屋に持って行ったら、クッションソファーに座る紀永の姿・・


スーツ姿のままだし、こう暗い照明の中で、夜景を見る姿って、凄く似合うし格好いい。



「・・どうしたの美紀?」


「うんん…
コーヒーで良かった?」


「ああ‥構わないよ」


紀永に見とれていましたなんて言え無いよ、恥ずかしくて。


クッションソファーの前にあるローテーブルにコーヒーを置き、ぁたしも反対側のソファーに…



「こういう景色も良い…
カメラ‥持ってくれば良かったかな?」


「そうだよね…
紀永、最近絵は??」


「たまに……
気が向いた時にしかやらないから、今年はまだ1枚も仕上がっていないね」


「そっか…
紀永も忙しいもん」


「・・・
やらないのは美紀が居ないからだよ…
美紀が居なければ、あまりアトリエに行く気にはなれない、あの場所には思い出が沢山詰まっているから」


「それは‥うん……
日本に戻ったら、また紀永と2人で絵を書きたい」


「そうだね、私も美紀と2人の方が良い」


コーヒーを飲みながら、他愛の無い話、日本の‥早乙女邸に戻ったよう。



「まだ書けるかな?」


「それは心配無いと思うよ、上手い下手では無く、美紀が好きな物を書けば良いのだから」


「私の好きな物…
やっぱり夏の風景……」


「好きだったね…」


「うん、夏は好き」


あの綺麗な空と、夏色の海が好き…
それ以外はあまり書きたいと思わない。


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