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禁断背徳の鎖2・約束の砂浜-
第12章 思惑交差のパーティー



主任が来た場所はメインエントランス…
だが、そこに後2人の人物が待ち構えていた。



(社長と、もう1人…)


先ほど、俺に声を掛けてグラスを取った人…
やはり早乙女の関係者だったのか……



『申し訳ありません、私が離れたばかりに…』


主任が2人に頭を下げて…
どうやら話は、俺の知らないあの人物を中心に進んでいるよう。



(・・・あれは‥早乙女邸の一色さん?)


会長の第3秘書で、主任と同じく本社で良く見る、多分早乙女邸と本社の繋ぎが主な仕事なのだろう。



『・・申し訳ありません!』


一色さんは青い顔をして、直ぐに深々と頭を下げた…
早乙女邸の秘書達も、俺達と同じく目的があって行動していたのか……


エントランスに、一色さんの声だけが微かに聞こえる…
今の俺はバレないように、少し離れ影に隠れている為、会話の全容は分からない‥‥ただ、緊迫した雰囲気だけは見て取れる‥その程度。



(・・考え込んでしまった・・・)


社長も主任も謎の人物も、全員が腕を組んだり、顎に手を掛けたりして思案顔‥‥何かを考えている、そんな感じだ。



(一体何があったんだ?
社長や主任が、こうまで焦るなど…)


思惑はあれど、終始穏やかなパーティーだと思ったが、もっと別の裏があったとか?



(・・そういえば、会場内にご令嬢の姿も無かった)


主任が此処に居るのだから、ご令嬢も一緒でも良さそうなのに?


そう考えていたら、一番最初に行動したのは‥‥あの謎の人物。


どうやら社長と主任に何か説明しているよう…
そして自分は歩き出そうとして、ふと止まった??



『っ!
これは……』


『何時かのお返しだよ伊織…
小型の無線機だ、客船内なら繋がるだろう?』


少し距離が離れたので、声が大きくなり、俺の方まで聞こえた…
主任の事を伊織と呼び捨てな事も。


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